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東京の森林とうきょうの木のはなしTokyo Trees' Story

メインビジュアルイメージ画像

日本の首都、東京には豊かな森林がある

東京都の面積の約4割は森林で覆われ、そのうち約7割が多摩地域西部にあります。多摩地域で木材生産のために植栽されたスギやヒノキなどの人工林は東京都面積の約14%。面積にして約3万ha、東京ドーム約6,700個分の人工林が広がっています。

多摩地域の人工林の比率は約6割。全国の人工林率(約4割)と比べても高く、多摩地域が林業と深く関わっていることを物語っています。実際に多摩地域は古くから林業が盛んであり、東京都では、多摩地域で生育し、適正に管理された森林から生産され、多摩産材認証協議会が産地を証明した「とうきょうの木」の利用を進めています。

多摩地域の人工林の比率グラフ画像
出典:『東京の森林・林業(令和4年版)』を元に算出
※出典:多摩国有林の地域別の森林計画書 多摩森林計画区、 (R3.4.1〜R13.3.31)

江戸の町を支えた
多摩地域の森林

江戸幕府が開かれるとたくさんの木材が日本全国から江戸へ運ばれました。
木曽や紀伊といった木材の大産地と並んで多摩地域からも木材が出荷されました。特に多摩地域は、多摩川に筏を流せば数日で江戸へ着くため、地震や大火からの復興時に迅速な供給を担う役目がありました。

多摩川絵図イメージ画像
「調布玉川惣画図」多摩市教育委員会所蔵 多摩市指定有形文化財
https://adeac.jp/lib-city-tama/top/

江戸に近い地の利と多摩川の手軽な水運があるため、多摩地域では比較的早い時期から樹齢40年生未満の小丸太が足場材として重宝されました。
ちなみに現在はとうきょうの木と呼ばれていますが、多摩川水系の木材はおしなべて「青梅材」と呼ばれていたそうです。

多摩川六郷橋付近イメージ画像
昔の東京都日本橋付近の様子
『日本風景風俗写真帖』小川一真 明43.11.
国立国会図書館デジタルコレクション
https://dl.ndl.go.jp/pid/762817(参照 2023-06-07)

戦後の拡大造林と林業を取り巻く状況

第二次世界大戦後には街の復興のため、全国各地で伐採と植栽が積極的に行われます。国策として天然の広葉樹林を大量に伐採し、建築材として経済価値の高いスギやヒノキなどの針葉樹林を植栽する「拡大造林政策」が進められました。
多摩地域も例外ではなく、高度経済成長期にかけてスギ、ヒノキの植栽が繰り返されました。

その後も高度経済成長期による木材需要の拡大が続き、その需要を補うため、大量供給ができる安価な外国産材の輸入が本格的に始まります。輸入量は年々増加し、国産木材の価格は下落。そして、林業従事者は減少していきました。

昔の銀座のイメージ画像