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公開日:2024年9月11日

TM MEMBER 02:磯貝絢(イソカカ)さん×TM MEMBER 03:田中千代子さん

東京の森で採れるハーブを使った
食体験イベントを開催!

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2024年7月13日、レシピ動画クリエイターの磯貝絢(イソカカ)さんと、檜原村在住でネイチャーガイドとしても活動する田中林業の田中千代子さんをTOKYO MOKUNAVI MEMBER(TM MEMBER)としてお迎えし、東京の森で採れるハーブ「クロモジ」などを使った食体験イベントを開催しました。
満員御礼となったイベントのリポートとお二人のインタビューをお届けします。

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TOKYO MOKUNAVI のショールームがある新宿パークタワー内のキッチンスペース「weeeat! studio」で食体験イベントを開催。

トークショー&料理デモンストレーション

イベントは、ウエルカムドリンクのクロモジ茶を楽しんでいただきながら、お二人の自己紹介からスタート。

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イソカカさん(以下、敬称略)「私は、会社勤めをしていた頃に体調を崩してしまい、そのときハーブに癒された経験をきっかけに、ハーブのことも学べる学校で料理の勉強をしました。アロマとメディカルハーブの専門店に勤務していたこともあります。

今日は皆さんに、ハーブと仲良くなれる『テスト』という言葉を覚えていただきたいと思います。

もっとも手軽にハーブを楽しめる『ティー』の“テ”、ハーブがたくさん揃っている『スーパー』のスパイスコーナーの“ス”、そして、ハーブが自生する東京の森林などを歩く『トレッキング』の“ト”。

最後にテストするので、忘れないでくださいね!」

田中さん(以下、敬称略)「私は結婚をきっかけに檜原村で暮らすようになりました。夫は、江戸時代から林業を営む田中林業の15代目です。今は、2人の男の子を育てながら、ネイチャーガイドやクロモジ茶の製造・販売もしています。

今日のお料理に使う『クロモジ』は、森で摘んでおいたものを持ってきました。クロモジは和製アロマの材料としても人気ですし、今、皆さんが飲んでいるお茶は、このクロモジの枝を煮出したもの。甘い香りがしておいしいですよね」

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イソカカさんの説明に沿って、田中さんが「クロモジ和風醤油ドレッシング」作りを実演。

トークの後は、料理のデモンストレーション。イソカカさんがハーブのオイル漬けやドレッシング作りの説明をし、田中さんが材料を混ぜていきます。

イソカカ「清潔な瓶に、クロモジやローズマリーなどのハーブと、オイルや醤油などを入れて1週間ほど寝かせるだけで、ハーブオイルやハーブ醤油を作れます。いつもの調味料の代わりに使うとハーブの風味がプラスされ、料理の格が上がります」

お待ちかねの試食タイムには、お二人が各テーブルを回り、参加した方々との会話を楽しみました。会場には、3年前に田中さんのガイドツアーに参加したことをきっかけに森林に興味を持つようになったという中学生の男の子の姿もありました。

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イソカカ「今日をきっかけに、『テスト』でハーブを生活に取り入れてみてほしいです」

田中「ハーブを見たら、東京の森林を思い出してもらえたらうれしいです」

楽しく興味深いトークとクロモジや山椒など東京の森林で採れる和製ハーブを使ったおいしい料理で、たくさんの笑顔とともにイベントは終了しました。

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本日のメニューは、「クリームチーズの山椒オープンサンド」「ミニトマトと日本のハーブの塩麹和え」「ベビーリーフのサラダ(クロモジ醤油ドレッシング)」「クロモジのクリアスープ」 レシピはこちらから

「人の手が入るからこそ、守られる豊かな森があります」(田中)

イベント終了後、イソカカさんと田中さんに、お二人が感じた東京の森の魅力について語っていただきました。

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イベントでは、お二人が初対面とは思えないほどトークが盛り上がっていました。何か印象に残った話題はありますか?

イソカカ「今、植えている木は孫の代のため、という話が印象深かったです」

田中「スギやヒノキなど建材としても使われるような、空に向かって真っ直ぐに伸びる針葉樹は、生長に約50年以上かかります。だから、今、使っている建材は、私たちのおじいちゃん世代が植えてくれた木なんです」

イソカカ「普段の生活は、この場この瞬間を楽しむことに偏りがち。そんな中で、未来を見据えた選択ができるのは、理性ある人間だからできることだし、大事なことだと感じました」

今日、お料理に使ったクロモジは、どこで採れるのですか?

田中「外側から森を見ると針葉樹ばかりのように感じますが、森の中に入ると、クロモジのような中・低木が種類も豊富に育っています」

イソカカ「クロモジは初めて使いましたが、苦味やアクがなく、爽やかなおいしさだけが感じられて和食全般に使えると感じました。それだけに、市場に出回ってなくて、なかなか手に入りにくいのが残念です」

田中「試行錯誤しながらクロモジを育てようとはしているのだけど、デリケートで育つ場所を選ぶのか、なかなかうまく育たなくて……」

イソカカ「今日使ったクロモジは、自生している木から?」

田中「そう。自生のクロモジがスクスクと育つのは、森林が手入れされているからなんです。木を伐ることをマイナスに受け取る方もいますが、木と木の間に適度な空間を作る間伐の作業があるからこそ中・低木まで日差しが届き、森の植生が豊になります。野菜でも成長のために間引きますよね?それと一緒です」

イソカカ「確かに、同じですね! 野菜を買うときに産地を気にするように、木で作られたものを手にしたときにも、どんな森で育ったのかと想像するようにしていきたいです」

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「今朝は、庭で育てたローズマリーとクロモジの葉をお湯を張った洗面器に入れ、肌の手入れをしてきた」という田中さん。

「都心から2時間で森に行けるなんて知らなかった」(イソカカ)

イソカカさんは京都在住ですが、東京の森について今までどんなイメージでしたか?

イソカカ「正直に言うと、東京は都会のイメージしかなく、今回お声をかけていただくまで、東京に森があるなんて想像したこともありませんでした」

田中「そうですよね。しかも、都心からわずか2時間で行けちゃうんですよ。夫から全国の林業家さんについて話を聞く機会がありますが、これほど大都市から森林までのアクセスがいい場所は東京都以外ではなかなかありません」

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ハーブは、自然界で生き残るためのエネルギーに満ちているから、食べることで元気になれるとイソカカさん。

イソカカ「イベントの前に、宿泊先から明治神宮まで朝RUNをして、自然の中に身を置く心地よさを感じたばかり。森に行ったら、その何倍もの自然を浴びられるのだから、うらやましいです。週末にお出かけしたら、いいリフレッシュになりますよね」

田中「本当に、そう。檜原村には『都民の森』など、普段は森に縁がない人でも気軽に行ける場所があるので、ぜひ、多くの方に来ていただきたいです。もう一歩踏み込んで、東京の森やハーブについて知りたくなったら、山には所有者がいるので勝手に入ることは避けて、ガイドツアーを利用していただけると、安全に楽しみながら知識も増やせるのでおすすめです」

今度のお休みには、テストの“ト”「トレッキング」を楽しむために、東京の森に足を運んでみてはいかがでしょうか?

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Profile

磯貝絢(イソカカ)さん

レシピ動画クリエイター
京都府在住。調理師・元カフェ店長で、現在はレシピ動画のインフルエンサーとして活躍中。自身のオンラインショップでは、グラノーラやハーブティーを販売。著書に『イソカカのからだ整う野菜のレシピ』(扶桑社ムック)がある。

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Profile

田中千代子さん

田中林業株式会社
「東京の森」とも呼ばれる東京都西多摩郡檜原村で、江戸時代から林業を営んできた田中林業家の15代目と結婚。ネイチャーガイド、クロモジ茶販売、森の植物を使ったインテリアコーディネートなど「森と暮らし」をテーマに活動中。