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公開日:2024年12月20日

TM MEMBER 06:安涼奈さん

登山YouTuberが
東京の御岳山〜大岳山を登ってみた!

メインビジュアル 安涼奈さん

とうきょうの木を一緒に盛り上げてくれる、TOKYO MOKUNAVI MEMBER(TM MEMBER)の6番目にお迎えしたのは、登山YouTuberの安涼奈(アリョーナ)さん。御岳山から大岳山を約6時間かけて登山した直後のインタビューをお届けします。実際の登山の様子は安涼奈さんのYouTubeで配信しているので、そちらも併せてご覧ください!

登山ルートがたくさんあるから、東京の森林は何度でも楽しめる!

今日の登山、お疲れ様でした。最初に、御岳山から大岳山をどのようなスケジュールで登山したのかを教えていただけますか?

朝、8時前にJR青梅線「御嶽」駅に着いて、バスに乗って御岳山の麓まで行き、ケーブルカーに乗車して「御岳山」駅で降りたのが8時半頃。そこから、登山をスタートしました。

御岳山の山頂には「武蔵御嶽神社」があるので、無事にゴールできるようにと祈願してから大岳山へ向かい、馬頭刈尾根を下って、14時20分頃にゴールの「秋川渓谷 瀬音の湯」に到着しました。

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ケーブルカーに乗り、標高831メートルの御岳山駅から登山をスタート。

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実際に歩いてみて、今回の登山ルートはどんな印象でしたか?

私は登山に慣れているので、とても楽しかったです。印象としては中級者向けのコースだと感じました。途中に岩場や倒木もありましたし、分岐も多いので、登山初心者の方にとっては少し難しく感じると思います。

登山中に出会った男性は、私よりも早い時間に御嶽駅からスタートをして、バスもケーブルカーも使わずに歩いて御岳山の山頂まで登ってきたと言っていました。それを聞いて、駅をスタート地点にすれば歩く距離を伸ばしたり難易度を上げたりもできるし、反対に、登山初心者なら駅から歩いてきてケーブルカーを往復で利用し、登山はできる範囲で楽しむなど難易度を下げることもできると感じたので、自分の体力や登山の経験を考慮しながら、コースを決められるといいと思います。

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御岳山山頂の「武蔵御嶽神社」では、今日の登山の安全を祈願。

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安涼奈さんは47都道府県を巡ったことがあり、しかも、日本百名山を2年半で完遂されたとお聞きしました。さまざまな地域と比較して、東京の森林の特徴はありますか?

今、歩いてきた登山道がまさにそうでしたが、道の両脇に細長い杉の木がたくさん並んでいて、そこから木漏れ日が差している──、それこそが私のイメージする東京の森です。登山中に日差しを感じて顔を上げるとその美しい光景を目にすることができますし、何度見てもその美しさに感動します。

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東京の豊かな緑に囲まれて、リラックスした表情の安涼奈さん。

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それから、東京は山を下りてくると人里が近いのも特徴だと思います。今日のゴール地点に設定した秋川渓谷 瀬音の湯のような、登山後に楽しめる場所があるのも東京の登山の醍醐味です。

私は自然も大好きだけど、おしゃれな場所やおいしいものも大好きなので、瀬音の湯のように、温泉、足湯、カフェ、レストラン、土産物屋さんまで揃う場所はワクワクしますし、登山で疲れた体を癒すのにもってこいだと思います。

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「秋川渓谷 瀬音の湯」のカフェでベリージュースを購入し、フリースペースでしばし休憩。

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登山の行き帰りに電車を利用するのは大変ではないですか?

私は電車に乗るのが好きなので、大変だと感じたことはありません。反対に、電車を降りてから、あまり時間をかけずに登山を楽しめる場所はとても貴重なので、東京に住んでいる人は恵まれているな、と感じているくらいです。

私はロシア出身ですが、山登りをしようと思ったら長距離ドライブをしてかなり田舎の方まで行かなくてはなりません。でも東京では、たとえば今日のように御嶽駅から登山をスタートしても、瀬音の湯を目指して下りてくれば、武蔵五日市駅に出て電車で帰ることができます。下山のルートを変えれば奥多摩駅に向かうことも可能です。

複数の駅を利用できるというのは、つまり、それだけ登山ルートが充実しているということ。同じ山でもルートを変えれば違う景色が楽しめます。東京は暖かいから冬でも登山ができますし、アクセスの手段も豊富で、年間を通して山登りが楽しめる最高の場所だと思っています。

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東京の森の美しい木漏れ日は、人と自然の共存から生まれたもの

普段、登山をしているときに、東京の森林を守っていくためには、伐採など人の手が入ることが大切だと意識することは少ないかもしれませんが、あらためて今日歩いた登山道を思い返してみて、何か感じることはありますか?

今日は「TOKYO MOKUNAVI」さんとのコラボ企画だったので、いつも以上に森林に目を向けながら登山を楽しみました。そこで感じたのは、「今、歩いているこの道は、人間と自然とが一緒に作ったもの」ということでした。登山道は、人が安全に歩けるように人の手が入っていて、その周囲にある森林にも人の手が入っている。でも、伐採によって残された木も新しく植えられた木も、太陽の光や雨など自然の恵みによって成長していきます。先ほどもお話ししたように、私は杉の木の隙間から陽の光が差す、あの美しい光景が大好きです。人と自然、どちらか片方だけではあの光景は見られないんだと考えたら、改めて、人と自然が共存していくことの大切さを感じることができました。

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最後に、これから東京で山登りをしてみたいと思っている読者にメッセージをお願いいたします。

今日、大岳山の山頂で、地面すれすれに咲いている花を見つけました。何の花だろうと眺めていたら、通りがかった女性が、山に自生するリンドウだと教えてくれました。こんなふうに、山登りをしていると新しい発見や人との出会いがたくさんあります。

登山へ行くときは、早めの出発・早めの下山を心がけて、明るいうちに駅に戻れるように計画を立てるのが鉄則。常に、安全第一を心がけて、東京の登山を楽しみましょう!

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Profile

安涼奈(アリョーナ)

1994年、ロシア生まれ。2014年に留学生として来日、2023年に東京大学公共政策大学院修了。全国47都道府県をめぐるうちに、日本の山の魅力を知り、日本百名山を2年半で完遂。現在は会社員として勤務するかたわら、日本三百名山も目指している。