東京の森で映画鑑賞&ワークショップ体験
「木もれびシネマの森〜映画と森のクラフトフェスティバル〜」開催リポート

2025年10月5日「木もれびシネマの森〜映画と森のクラフトフェスティバル〜」を開催しました。東京都あきる野市のキャンプ場「自然人村」を会場に、3本の映画上映、とうきょうの木を使ったワークショップ、「森のお話」など、東京の森が身近に感じられるイベントの様子をリポートします。
森の中で、映画鑑賞と食事とワークショップ体験
「木もれびシネマの森〜映画と森のクラフトフェスティバル〜」は、木々に囲まれた自然豊かな場所でありながら、JR五日市線武蔵五日市駅から車で約10分、歩いても20分ほどの距離にあるキャンプ場「自然人村」で開催しました。
当日は途中小雨が降りながらも長袖のシャツ1枚でも過ごせる恵まれた気候となり、開場してすぐ、ファミリーを中心に多くの来場者で賑わいました。
皆さんのお目当ては、やはり、青空の下での映画鑑賞。「木々に囲まれた中で映画を観るのは初めて」「子どもに貴重な体験をさせてあげたくて」などの声が来場者から多く聞かれ、ステージ上に設置した幅5.4m、高さ3mの巨大スクリーンの前に並べられたキャンプチェアはあっという間に満席になりました。「丸太アスレチック」や「薪割り」「バードコールづくり」「どんぐりパチンコ」など、とうきょうの木に触れられる体験型ワークショップはお子さま連れのファミリーに人気で、行列ができるほどの盛況ぶりとなりました。また、地元の食材を使った奥多摩産ヤマメのラーメン、東京しゃもパエリア、お好み焼きといったキッチンカーや、地元名物のあじさい茶のほか、スモークカクテルなどのドリンクも大好評。映画、食事、ワークショップ体験と、思い思いのスタイルで、森での1日を楽しんでいました。
とうきょうの木を知り、多摩地域のきれいな水を守る
映画上映の合間には、東京の森について知ってもらえるよう、榎戸材木店と東京チェンソーズによる「森のお話」をしていただきました。
榎戸材木店は、東京都江東区新木場で木製品の制作加工や木育活動をしています。
この日のために「東京の森と水の生き物たち」というテーマを準備し、登壇した社員の廣瀬さんは、今回のイベントをきっかけに初めて自然人村に足を運んだと言います。
「まずは現地に足を運ぶことを大事にしているので、イベントの数カ月前に一人で自然人村へ行き、敷地内を流れる川の水質に興味が湧きました。川を見ていると、きれいな水のある場所でしか生息できないサワガニやヤゴなどと出会うことができました。つまり、この辺りの水はきれいだということです。
多摩地域は東京都の水源の一部ですが、江戸時代にはこの辺りで伐採した丸太を多摩川から海を経由して江戸まで運んでいたこともあり、川と木のつながりがとても深いんです。そこで今回は、「東京の森と水の生き物」をテーマにし、東京の水を守るためにも森を適切に管理していくことが大切だということをお話しさせていただきました。」
映画館や美術館へ行くように、週末には森へ行く
東京チェンソーズは、林業や、出張型ワークショップ「森デリバリー」、プロダクトの製造・販売などを通じて「森と街が共生する社会」を目指しています。今回は「山と山の仕事」について代表の青木さんからお話がありました。
「東京都の総面積の約4割は森林で、都心部から1〜2時間で東京の森に来ることができます。これほど恵まれた環境にいるのだから、休日に映画館や美術館に行くように、『この週末は森へ行こうよ』という感覚が当たり前になってほしいと思いながら、モノづくり、コトづくりの活動をしています。
「今日のイベントでは、森をもっと身近に感じてもらうために、僕ら林業家の仕事を映像も交えて紹介しましたが、入り口はどんな形でもいいので、少しでも森に興味を持つ人が増えてくれたら嬉しいです。
旅行のような特別な感覚ではなく、ごく当たり前の日常として森に遊びに行く機会が増えれば、生活はもっと豊かになると思っています。」
この日、会場には小さなお子様のいるご家族連れや大人のお友達同士、ご高齢の方など幅広い年齢層の来場者が集まり、800人を超える大盛況となりました。
来場者は、映画と森が織りなす特別な空間で、森のお話、ワークショップ、川で生き物探しなどを夕暮れ時まで自由に満喫。東京の森の魅力を存分に感じていただける一日に、満足そうに会場を後にされていました。


















