2024年12月14日、「とうきょうの木を見に行こう! 森林バスツアー」を開催しました。
ツアーの案内人に秋川木材協同組合で「とうきょうの木」の普及活動などを行っている東京グリーンエコツーリズム代表髙濱謙一さんを迎え、参加者15名をとうきょうの木とつながりのある施設に案内しました。
普段はなかなか入ることができない原木市場や製材所などを見学し、「伐り時、使い時」を迎えた”とうきょうの木”が私たちの手元に届くまでの工程を辿ったツアーの様子をお届けします。
東京の森林について学ぶ
オリエンテーション
日差しの当たる場所では冬の寒さを感じないほどの快晴だったこの日。武蔵五日市駅に集合した15名の参加者の方々に、まず、築130年の古民家を利用した「五日市 壱番館」でオリエンテーションを行いました。
東京都の森林率はおよそ4割。オリエンテーションをしているあきる野市は市の面積の60%が森に囲まれ、その森林で育った木のおよそ70%が「伐り時、使い時」を迎えた樹齢50年以上の木であること、そして、森で育った木がどのように建材や家具になっていくのかを写真や動画でご説明しました。
オリエンテーションでは、とうきょうの木の伐り出し・運搬・製材がどのように行われているのかなどを学びました。
とうきょうの木を見に行く
森林ツアー
武蔵五日市駅前から今回訪れる檜原村にある森林の入り口までは、バスで20分ほど。そこからは秋川渓谷の美しい景色を眺めながら進み、檜原村にある田中林業の「遊学の森」に到着。ここは林業について学ぶために手入れされた森ですが、一般的な山道ほどは整備されておらず、参加者の皆さんは、急斜面を一歩ずつ足場を確かめながら慎重に登っていきます。実際の林業では、この急斜面で伐採・植林が行われています。
日の当たり方による木の生育の違い、伐採など手入れがなされた森とそうではない森との違いなどを体感していただきました。
ツアーガイドの秋川木材協同組合の髙濱謙一さん。
都内唯一の原木市場を見学
続いて、都内唯一の原木市場である「多摩木材センター協同組合」を見学。この後に訪れる沖倉製材所の沖倉社長に説明していただきました。
森から伐り出した木は、ここで競りにかけられます。幹の太さごとに分けて置かれた丸太には、とうきょうの木であることを証明する刻印(多摩産材の多を◯で囲んだもの)が押され、どの山から運ばれたかがわかるように番号が書かれていました。
真っ直ぐな木、曲がりのある木、節のある木、木材の等級では最高ランクとなる表面に節のない「無節」など、さまざまな丸太があるそうです。
丸太から床材や柱材へ。製材所見学
次にご案内したのは、沖倉製材所です。原木市場で競り落とした丸太は、最初に皮を剥き、注文に合わせた形に加工することで柱や床に使う建材としての役割を与えられるのだそう。
この段階ではまだ木が多くの水分を含んでいるため、沖倉製材所では中低温でじっくりと乾燥させ、将来的に反りや割れが生じにくい木材に仕上げていました。ちなみに、最初に剥いた木の皮などを乾燥機の燃料として使用し、丸太を無駄なく使い切っているということです。
最後に、木材の強度などを測定し、とうきょうの木であることがひと目で分かる「多摩産材」の文字を木材に印字する様子を見学しました。
現在の住宅は機密性が高いため、しっかりと乾燥させることがより重要なのだそう。
丸太や木材には、とうきょうの木である証が刻印されています。
とうきょうの木を使ったカフェで
木の温もりに触れる
最後の目的地は、武蔵五日市駅に隣接するカフェ「do-mo factory blan.co」。こちらは、この日見てきたとうきょうの木が内外装で使用されており、スギを使った壁やヒノキのテーブルに囲まれて、ケーキとドリンクを楽しんでいただきました。
髙濱さんから「壁の杉板は、あえて節の目立つものや無節のものなどをランダムに配置しているので、実際に家の床や壁に木材を使ったときに、節がどんなふうに見えるのかがイメージができます」との説明がありました。プログラム終了後には複数の参加者の方から東京の森のこと、とうきょうの木のことを考えるきっかけとなったといった声をいただきました。みなさまも家具を買うとき、家を建てるときの選択肢に「とうきょうの木」から生まれた製品を加えてみませんか?
とうきょうの木に興味はあるけれど、東京の森林まではなかなか行けないという方は、ぜひ、新宿にあるTOKYO MOKUNAVIのショールームへ。こちらでもとうきょうの木を使った製品に実際に触れ、林業についても知ることができます。
また、現在、東京都では新築の戸建て住宅や住宅のリフォームに「とうきょうの木」を利用した際、東京の特産品と交換できるポイントを付与する「木材利用ポイント事業」を行っています(諸条件あり)。詳しくはWebサイトをご覧ください。