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activities in tokyo forest 森の遊び場

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2025年10月2日

#自然と触れ合う #学ぶ #泊まる

山のふるさと村

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2025年10月2日

#自然と触れ合う #学ぶ #泊まる

山のふるさと村

“山ふる”の愛称で親しまれている「山のふるさと村」は、秩父多摩甲斐国立公園内にある東京都の体験型自然公園施設。クラフト、宿泊、キャンプ、バーベキューなど様々な楽しみ方ができる施設で、訪れた方の案内役を務めるのが、ビジターセンターに常駐しているインタープリターの一人である福世健吾さん。奥多摩の自然と人をつなぐインタープリターという仕事について、福世さんにお話を伺いました。

訪れた日だからこそ見られる
自然の姿を来場者に伝えたい

インタープリターを直訳すると通訳者ですが、山のふるさと村では「自然の案内人」とお伝えしています。訪れた人と奥多摩の自然を繋ぐ人、とイメージしていただけるとわかりやすいと思います。

訪れた人が、当日予約し参加できる自然体験プログラムを毎日開催しています。例えば、インタープリターと一緒に施設内を30〜45分ほど歩きながら、自然や地域の歴史について解説を聞けるガイドウォーク。他にも、宿泊者向けのナイトプログラムや“おはようウォーク”などもご案内しています。

ガイドウォークを担当する日は事前に施設内を下見し、その日のルートや話す内容を決めています。動物が木の芽などを食べた痕跡や木の幹につけた傷などが残っていれば、その日はそれがガイドのメインになるかもしれませんし、真夏なら涼を求めて沢の辺りを歩きながら石をひっくり返して生き物を探してみます。秋が近づくとたくさんの種類の木の実を見ながらそれらを食べる動物のお話をしようかなど、その日、その時期だからこそ触れ合える内容にすることを心がけています。

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山のふるさと村イメージ画像02 山のふるさと村 インタープリターの福世健吾さん。

現状を知ることが東京の森林を
考えるきっかけになる

今、山のふるさと村では、10名ほどのインタープリターが働いています。インタープリターに特別な資格はなく、私の場合ですと、大学で生物学を学び、高尾山などで働きながら植物の知識を身につけ、今もここで働きながら、奥多摩の森林や歴史についてたくさんのことを学び、日々知識を増やして、皆様にお伝えしています。

最近、山のふるさと村では、施設内にサルやシカが来ていることが珍しくないのですが、先輩のインタープリターから聞いた話では、何年か前までは夜間であっても動物に出会うことはほとんどなかったそうです。

この辺りは林業が盛んで、かつては人の手によって管理されている森林も多かったのですが、近年は放置されたままの場所も増えています。人の手が入る場所には動物はあまり近づかないので、人間の生活エリアと動物の活動エリアを分けるクッションのような役割を果たしていましたが、人の手が入らない場所では、動物たちの活動場所が広がり、その結果、動物たちを見かける機会が増えたのだろうという話です。

こういう話を知るだけでも、東京の森林について考える機会になると思います。キャンプ場にタヌキが出た、周辺でクマの目撃情報があるから森林に近づくのはやめようというのではなく、タヌキやクマの生態を知り、彼らと適切な距離を保って自然を楽しめるように知識や情報をお伝えするのが、私たちインタープリターの役目だと思っています。

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山のふるさと村イメージ画像04(上)山のふるさと村の玄関口であるビジターセンターにインタープリターが常駐している。
(下)ガイドウォークは1日2〜3回開催。来園時にビジターセンターで申し込みができる。
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目で見て触れて感じる。
自然体験の拠点になりたい

インタープリターは施設内での活動がメインですが、時には出張授業で外部に出向くことがあります。その際には、とうきょうの木を使ったワークショップなども行っています。私が首から下げているネームタグは裏返すと定規になっていて、虫や木の実など森林で見つけたもののサイズを測れるようになっています。

葉っぱのステンドグラスは、拾った木の葉が挟んであり、太陽にかざすと葉の色が輝き、葉脈などが見えてとてもきれいです。これらの材料となっているヒノキは、山のふるさと村にもたくさん生えている針葉樹なんだよと参加者に伝えると、”とうきょうの木”に対する親密度が増すのを肌で感じます。

ガイドウォークもワークショップも、実際にとうきょうの木を見て触れる体験をするという点では同じです。東京の森林に興味を持ってもらうには、 “自分で実際に感じる”ことがとても大切だと思っています。

その点、山のふるさと村は、本当にいい拠点です。ガイドウォークやクラフト体験ができ、レストランでは地元で育った「奥多摩ヤマメ」食べることができたり、宿泊施設もあります。ビジターセンターに来ていただければ夏は冷房が効いていますし、冬には薪ストーブでほっこりと、快適に過ごすことができます。環境が整っている上に、来るたびに自然がどう姿を変えていくのか定点観測ができます。

自然に興味はあるけど何から始めていいかわからないという方にも、より深く東京の自然環境について知りたいという方にも山のふるさと村はおすすめです。そして、来場された際にはぜひインタープリターにも気軽に声をかけてください。お待ちしています!

山のふるさと村イメージ画像06 山のふるさと村イメージ画像07 (上)落ちていたヤマナシの実には、サルがかじった痕が残っていた。
(下)ワークショップで人気の「葉っぱのステンドグラス」。フレームは〝とうきょうの木〟製。

山のふるさと村

山のふるさと村イメージ画像08 山のふるさと村イメージ画像09 山のふるさと村イメージ画像10

東京都立奥多摩湖畔公園 山のふるさと村
東京都西多摩郡奥多摩町川野1740
0428-86-2551

https://www.yamafuru.com/

開園時間:9:00〜17:00(各施設は16:30に閉館します)
休園日:年末年始

アクセス
電車 / JR青梅線「奥多摩駅」から、西東京バスで「小河内神社」バス停下車。麦山の浮橋を渡り、湖畔の小道を徒歩40分
車 / 中央自動車道八王子I.C.より、国道16号、滝山街道(国道411号)を経由して青梅街道へ。奥多摩湖沿いを進み、奥多摩周遊道路に入り約4kmほどで山のふるさと村ゲート前に到着します。

※麦山の浮橋は奥多摩湖の水位や天候の影響で通行止めとなる場合があります。

●事前予約(0428-86-2324)による無料送迎バスも有り。