高校生の頃に抱いた夢を
10年かけて白丸湖で叶えた

高校生の頃、映画をきっかけに、「将来は湖畔の家に住んで、早朝からカヌーをする」という夢を抱きました。大学生のときは植林プロジェクトでフィリピンやインドを訪れ、カヤックで川を移動したり、１カ月ほど湖上での生活を体験したりなどして、自然に囲まれた中で暮らすことへの思いはより強くなっていくばかりでした。

高校時代から定期的に「湖　土地」のキーワードでネット検索をしていましたが、そもそもの数が少なく、たまに出たとしても富士五湖や琵琶湖の湖畔に建つ高級物件ばかり。この白丸湖畔の土地と比較すると価格は５倍以上も高く、とても手が出ませんでした。

それが、大学を卒業して社会人になって３年目の夏。奥多摩町の空き家バンクを見ていたら、「湖におりれる」とおまけのように書かれていた６文字に目に飛び込んできたんです。すぐに問い合わせると、すでに２件交渉中ということがわかり、でも、いてもたってもいられず、その週末に自分で現地を見に行きました。

長い階段を降りて、ちょうど今座っているこの石に座って白丸湖を眺めた瞬間、その景色の美しさに心を奪われました。エメラルドグリーンの湖とそれを囲むように生い茂る木々。海外も含め、これまでに見てきたどの景色よりも美しく、しかも、白丸湖ではカヌーやSUPなどの遊びも許可されている。僕が求めていた条件にこれほど合致する物件との出合いは初めてで、絶対にここを自分のものにしたいと強く思いました。

サウナやSUPに興じる
友人の姿が白丸villageの原点

「即決するから」と交渉して土地を手に入れられたのはよかったのですが、ここを活用するためには、およそ30年間放置されていた空き家の解体や階段の補修などをする必要がありました。問題は、空き家につながる道が細くて重機などの車両が入ることができず、業者に解体を依頼すると通常の５倍ほどの費用がかかるということ。

僕も潤沢な資金があるわけではなく、外部に委託したらお金がいくらあっても足りません。そこで、友人たちを「奥多摩でバーベキューしない？　SUPもできるよ」とアクティビティをエサに誘い出し、解体作業を手伝ってもらいました。

当時、僕は千葉県に住んでいて平日は丸の内で働き、金曜日になると大きなバックパックを背負って出社して、仕事を終えたら奥多摩に向かい、土日で解体作業をするという日々でした。もちろん、肉体的にはハードだけど、自分の楽しみのためなので、ぜんぜん苦ではありませんでした。驚いたのは、手伝いに来てくれる友人たちも平日は仕事があるのに、湖畔での遊びを楽しむために、何度も足を運んで解体作業を手伝ってくれたことです。

最初は、週末などに自分が個人的に遊ぶための場所としてここを購入しましたが、友人たちがサウナやSUPを楽しむ様子を見て、これは、独り占めするよりもみんなで楽しんだほうがいいのではないかと考えるようになっていきました。そうして誕生したのが白丸villageです。

一年を通じて景色を堪能でき
季節に応じた遊びを楽しめる

オープンしてからも土地の整備を進め、少しずつできることを増やしていきました。今　白丸villageでできるのは、まず、テントサウナで、サウナで体を温めたら天然の水風呂として湖にダイブすることもできます。おそらく、都内で湖を水風呂にできるのはここだけです。そして、SUPにカヌー、セットプランだけですがバーベキューもできますし、冬場には焚き火を楽しめるプランも始めました。

ここは、一年中、いつ来ても景色がキレイで、何時間眺めていても飽きることがありません。今日来て、１週間後に来ても、木々の葉の様子も違えば天気も違うので、いつ来ても新鮮な気持ちで景色を楽しむことができます。意外かもしれませんが、僕がいちばんおすすめする季節は冬です。冬は雨があまり降らないので白丸湖の透明度が高くなり、周囲の森が湖面に映り込む様子は、半端じゃない美しさです。

旅行へ行く時間がなくても、わざわざ海外まで行かなくても、都心から電車で２時間、白丸駅から徒歩５分の場所にこれほど美しい自然があることをもっと多くの方に伝えていきたいですし、ぜひ、自分自身で体験してみてほしいです。

アクティビティを楽しむのはもちろんですが、SUPボードの上に寝転んで時間を過ごしたり、リクライニングチェアに座って湖を眺めながら風を感じたりするだけでもいい。自分の好きな時間を過ごしてもらえたらと思います。僕自身、ここで過ごす時間を持つようになってから、顔つきや話し方が穏やかになったという自覚がありますが、きっと、限られた時間の滞在でも、何かしらの変化を感じていただけるのではないかと思っています。

白丸villageには宿泊施設はないのですが、2025年の春には近隣に泊まれる場所を用意しようと準備を進めているので、ぜひ、ゆったりとした時間を過ごしに来てください。